川代紗生 ダイヤモンド社 2022.2.1
読書日:2022.5.17
承認欲求を抱えてもがき苦しんだ20代女性のブログをまとめたもの。
いやー、あまりに生々しい魂の叫びにおもわず引きそうな感じすらしましたが、しかし自分の10代や20代を思い浮かべても、ここまででないにしても思い当たるフシもあり、少し考え込んでしまいましたね。
私は華がない、ですか。
川代さんは写真を見る限りはどちらかというと普通にきれいな方のように見えますが、たしかに誰もの目を引くような華はないかもしれませんね。そんなの比較してもしょうがないって分かっていても、そういう境地になかなか達するわけないですよね。
誰でも子供の頃、人気のある生徒と自分を比べてみて、あの子と自分は何が違うんだろうと思ったことはあるでしょう。男の子の場合よりも女の子の場合のほうが、検討すべき項目が多いだろうということは想像がつきます。
かわいい、かわいくないひとつとっても、それは顔なのか、スタイルなのか、服装なのか、持ち物なのか、化粧なのか、いろいろありますし、それが20代になっても恋人がいるとかいないとか、指輪を買ってもらったとか、キャリアがどうしたとか、留学したとか、結婚とか、いろんな項目が全部、周りの女の子との比較対象になってしまう、というのは、まあ、理解できますね。
そうですね。面白いのは、女の子は女の子同士の比較なんですね。別に男と比較するわけじゃないんですよね。そりゃそうか。
川代さんは書くことで救われたんですって。
川代さんはこうしてブログに書くことによってある程度承認欲求を満たして、仕事でも責任ある立場になり、チキンカレーでバズってそれがテレビで放送されたりして、すでに承認欲求はお葬式になったようです。よかった。
しかし、なんか……ここまで自分をさらけ出してしまっていいんでしょうか。なんか、一種、捨て身の戦法のような気が。そこまでしないといけないのかと思いました。なにしろネット時代のいまどきですから、検索したら離婚した相手の名前もネットに出てきましたし、ちょっとなあ。これってほとんど、私小説家に近いのかしら。
でも、それで救われているんだし。うーん。いちおう自己ブランディングは成功というところでしょうか。
この本を読んでいるときにちょうど著者が、ダイヤモンド・オンラインにインタビュアーとして登場しているのを見つけました。こんな仕事もやってるんだ、本屋の仕事はやめたのかな、と思って調べてみたら、そちらも引き続きやっていて、いまは関東の責任者だそうです。なるほどね。
なんかちょっと危なそうな気もしますが、すでに有名人ですし、今後ともキャリアがうまく回るように祈念いたします。
★★★★☆