ティナ・シーリグ 訳・高遠裕子 解説・三ツ松新
読書日:2022.5.15
「私はこれをやってもいい」と自分で自分に許可を与えることで、新しい可能性を切り開き、後悔しない人生を送ることを主張する本。
ティナ・シーリグはスタンフォード大学で「新しいことに挑戦しろ」、「失敗してもいい」、「やってみると意外に簡単」などと学生にけしかける講義を行っているんだそうだ。しかもこの講義はただの座学でなくて、講義の参加者は実際に実験を行わなくてはいけない。これはかなり大変だ。
しかしなぜこんなことをしなくてはいけないのだろうか。アメリカ人は自分で自分を鼓舞して、挑戦するのが国民性なのではないのか。
だが、アメリカでもそのような挑戦的な人生を送るひとは少ないのだそうだ。たとえスタンフォード大学のような優秀な学生ばかりが集まるようなところでも、無意識にリミッタをかけ、行動が抑えられている。そういう人には自分はやってもいいのだと気づかせる必要がある。
ここで言っているのはなにも起業だけの話ではない。自分のやりたいこと、なんでもだ。
もしもやりたいことがあったら、そんな事はできないという常識を疑い、もう一度世の中を新鮮な目で見つめ、実験をして、失敗してもいい、ありえないような新しいキャリアを思い描いてもいい、とそんなふうに、誰からでもない、自分で自分に許可を与える、そんな人生を送るように主張する。
どうするか迷ったら自分の心に問いかけよう、合理的な計算からは出てこない答えがそこにはあるはずだ、という。
わかったよ、ティナ。わしも自分のやりたいことに自分で自分に許可をだすよ。ええと、ええと、やりたいこと、やりたいこと……これから成長しそうな企業を見つけて投資すること! ああ、もうやってた。でも、この程度じゃ、やっぱりちょっと消極的すぎかな、ティナ?
★★★★☆