ヘタレ投資家ヘタレイヤンの読書録

個人投資家目線の読書録

心理的安全性のつくりかた 「心理的安全性」が困難を乗り越えるチームに変える

石井遼介 日本能率協会マネジメントセンター 2020.9.10
読書日:2022.4.2

全員の知恵が求められる現代の組織では、自由に発言できて責められることのない、「心理的安全性」がある組織運営が求められるが、そのためには具体的な行動という形で示すことが大切だと主張し、その方法を伝授する本。

わしが図書館で借りたのは2021年の8刷版で、短期間に刷数を稼いでいることがわかる。どうやらこの本はこの分野の教科書になっていて、セミナーなんかで大量に買われているらしい。こういうふうに、ずっと使われる教科書を著作に持つというのはなんとも羨ましい限りです(笑)。

まあ、それはともかく、この本で書かれているのは、ようするに「風通しのいい組織を作る」ということです。

しかし、わしはなんかそんなに風通しの悪い組織にいた経験がないので、いまいちよくわからない。会社に入って以来、好きなことを言ってきたが、とくに問題が起きたことはない。まあ、気質的に気にしなかっただけかもしれないが。

しかし、なにか意見をいうと言い出した本人がそれを実行しなくてはいけなくなる、ということはあった。こうなると余計な仕事はしたくないから、自然と発言は控えられるようになる。ということは、この本の定義に照らすと、やはり心理的安全性が確保されていなかったということになるのだろう。

でも、「風通しの良い組織にしましょう」とお題目を言ったたけでは、そういうふうにはならない。ひとは抽象的な言葉には反応しない。具体的に態度で、反応をその場で返す、ということをして、本当に自由に発言をしても安全だという体験を増やさないと、組織は変わっていかないという。

たとえば、なにか問題が起きたときに、担当者に「なぜそんなことをしたのか?」と聞くと、相手の責任を問うてしまうので、そんな聞き方はせずに、「どこで、なにがおきたのか教えて下さい」と事実を確認する聞き方をする、とか。

これは自分が上司の場合だけど、部下から上司の態度を矯正していくことも可能だという。

しかしまあ、正直に言って、こんなこともしなくてはいけないだなんて面倒くさいなあ、という気がしました。なんとも会社員のみなさんは大変ですねえ。いや、わしも会社員ですが、なんか自分が会社員という気があまりしないんですね。会社員のふりした自由業のような気がしてるんで。

ともかく、たかが会社で働くことに、ここまでする価値があるんだろうか、と考えちゃうよね。

なんか、とてもとてもご苦労さまなことです。

★★★☆☆

 

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