ヘタレ投資家ヘタレイヤンの読書録

個人投資家目線の読書録

糖尿病の真実 なぜ患者は増え続けるのか

水野雅登 光文社新書 2021.6.30
読書日:2022.2.8

これまでのインスリンを与える治療方法や食事療法は間違っていることを指摘し、糖質オフの食事で糖尿病は改善できることを主張する本。

わしも糖尿病の境界にいる人間なので、こうして関連本を読んでいるわけだが、この本はインスリンのリスクやインスリンの検査方法、治療に使える薬について具体的に書いてあるところが良かった。

ともかく著者によると、糖尿病治療の標準ガイドラインはまったく間違っているそうだ。

まず食事療法の、「炭水化物6割、タンパク質2割、脂質2割」という配分が間違っている。この割合にはなんの根拠もないという。単に日本人の平均的と思われる割合を表しているだけなんだそうだ。それに、カロリーを重点にしているところも間違っているという。カロリーはその成分を燃焼させたときに発生する熱量を求めたもので、身体に入ったときの代謝とはまったく関係がないという。

さらに間違っているのは、インスリンを投与することだそうで、著者によればインスリン投与こそが糖尿病を悪化させる真の悪玉なんだそうだ。

インスリンをつくる膵臓(すいぞう)のベータ細胞は、膵臓の1パーセントしかないそうで、この少ないベータ細胞は現代の糖質にあふれた食事で酷使されているので、気絶(!)もしくは死んでいくという。そこでガイドラインでは、酷使されているベータ細胞を休ませるために、インスリンを投与するのだという。

ところが、人工的にインスリンを与え続けると、逆にベータ細胞は自分が働かなくてもインスリンがあふれているので、休みすぎてしまい、どんどんインスリンをつくる能力を失っていくのだそうだ。結果的に、ベータ細胞は死滅してしまい、インスリンはまったく作れなくなるので、一生インスリンを手放せなくなる。

それだけでなく、インスリンを投与すると当然ながら血糖値が下がるので、その飢餓感はものすごく強く、糖分の入ったものをどか食いすることになり、また血糖値が上がって、負のスパイラルに突入するそうです。

インスリンは他にも血管、神経、精神、腫瘍、骨、関節、目などに悪影響を及ぼすという。糖尿病の症状のひとつに糖尿病性網膜症という目の病気があるが、これは実はインスリンによって引き起こされるのだという。インスリンにより血管が詰まりやすくなり、このため新しい血管が形成されるが、その新しく弱い新生の血管が破れるのだという。

食事療法と運動療法にしても、医師からは「やってください」と言われるだけで、具体的なやり方はまったく教えられることはないという。なぜ教えないかというと、5分程度の診療時間で教えられるような内容でもないからだそうだ。患者に任せた結果として、食事療法、運動療法で治ることはほぼなく、インスリンを投与することになる。

著者の場合は標準のガイドラインと異なり、患者にインスリンを生産する能力がある場合は、インスリン投与をやめる治療(インスリンオフ治療)をする。代わりに食事を糖質オフにするというのだ。これだけでほとんどの場合は血糖値が下がり、インスリンも他の薬も必要なくなるという。また、栄養のうち足りないのはタンパク質なので、タンパク質を増やした食事にする。ビタミンと鉄分はサプリメントを使う。

運動はスクワットなどの自重を使った筋トレを行い、ある程度効果があったら有酸素運動を追加する。筋肉を使ったあとなら、糖分をとってもすぐに筋肉に吸収されるから、まず運動してから食事をするといいという。

この治療方法は、わしの経験とまったく合致する。わしは会社の2020年の健康診断で血糖値が高く出てしまい、医者へ行くことを産業医に厳命されてしまった。そこで、医者に行くと、「ダイエットと運動をしてください」と言われただけだった。本当に具体的な指示は何もなかった。

そこで自分でかってに方法を考えることにした。高血糖というくらいなんだからダイエット法は糖質制限ダイエットにして糖分をとらなければいいのだろう、となんとなく思い、そのとおりにした。糖質制限ダイエットでは糖質以外はどんどん食べてもいいのでお腹は一杯になる。ところが、糖分をまったく取らないと、身体がなにか物足りないと訴えかけてくるのには困った。糖質依存症だったのだろう。そこで、ローソンで売っている低糖質パンを食事の最後に食べることにしたら、糖質オフの飢餓感はなくなった。(この糖質低減したロカボパンは、勤務先にあるローソンではすぐに売り切れてしまう。社内に血糖値で悩んでいる人が大勢いるのではないかと推測される。)

またちょうどパンデミックで在宅勤務になり、運動不足だったので、スクワット、腕立て、腹筋の自重筋トレを週2、3回行うことにした。

すると、体重がするする減り、3ヶ月で標準体重まで減り(ー15Kg)、血糖値も標準まで簡単に下がったのだ。偶然だが、正しい行動をしたというわけだ。

いまでは糖質をほとんど取らなくても、飢餓感はほとんどない。それにこの本に書いてあるとおり、お腹もあまり空かなくなった。ケトン体質になったのだろうか。(いろんなところに糖分は若干含まれているからゼロにするのは難しいが、まあ、そのくらいは気にしない)。

糖分がいかに身体をボロボロにするかが分かったので、わしがもう余分な糖分を取ることはない。ご飯もパンも食べない。そのかわり、無塩のナッツ類をたくさん食べる。

本書によれば、玉子が最高の完全食品だそうで、1日に何個食べてもいいそうだ。10個でもいいという。コレステロールは気にしなくてもいいそうだ。玉子は2個も食べるとかなり満足感があるから、これからはもっと玉子を食べようかな。

いま困っているのは、じつは膨大な食事優待券だ(笑)。優待で外食をするのはわしの楽しみだったが、食事改革により、優待券はほぼ使えなくなってしまった。外食は糖分が多すぎるのだ。あまりに大量の優待券。どうするんだ、これ?(苦笑)。とりあえず健康な家族に食わせているが、多すぎる。

優待生活を楽しむには、ともかく健康な身体が必要だ。健康な身体を持っている投資家の皆さん、どうぞご自愛ください。

★★★★☆

 

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