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スピリチュアルズ 「わたし」の謎

橘玲 幻冬舎 2021.6.25
読書日:2021.11.12

橘玲が科学的な最新の性格分析を紹介し、自分のキャラを把握し、自分の性格に合った人生の物語を構築しようと主張する本。

橘玲はこれまで最新の進化心理学から得られる治験をもとに、人間の心理についていろいろ書いてきていて、本書はその内容とかなりダブるところもあるし、本書の趣旨からして網羅的な内容となる。この網羅的な記載って、自分の興味にない部分も大量に載ってるから、読むと結構退屈なんだよね。

橘玲がなぜこういう本を書こうと思ったかというと、たぶんコロナで自宅と職場にずっといるので、時間ができたからだろう。ここで自分の知っていることをまとめようという気になったのだと思われる。

なにしろ、この本は構想したうちのまだ半分で、全部出版すると本が分厚くなってしまうので、とりあえず半分だけ出版したそうだ。書くのが早い作家にとっては、時間があるということは本が分厚くなってしまうということだ(苦笑)。で、残りの半分は宗教や神秘主義スピリチュアリティ(死の回避理論)なんだそうだ。

まあ、それはいいとして、最新の性格分析は、進化心理学的に基づいたものであり、この分析の破壊力は凄まじい、と橘玲は主張する。その根拠として、2016年のケンブリッジ・アナリティカによるトランプの選挙戦をあげている。この選挙戦では、フェイスブックに登録しているひとをビッグ5と呼ばれる心理プロファイルで分析し、その結果に基づいてそれぞれに異なったアプローチをして、有権者を誘導したのだという。このときは有権者の数パーセントをトランプ側に有利になるように動かすことに成功したとされる。

もうひとつは同じくケンブリッジ・アナリティカがイギリスのEU離脱の国民投票に影響を与えたと言われる例だ。

うーん、心理プロファイルの応用例としては、このケンブリッジ・アナリティカの話は有名だけど、どうもこの例しか思いつかないんだよね。

分析手法としては、自分が何に「いいね」をしたかのデータ、例えば音楽に関する100程度のいいねを分析するだけで、その人がどんなキャラクターなのかほぼ正確に分析できるという。

本当にこの程度の情報で、そんな事が可能なのかどうかはどうかはわしにはわからない。が、それは別として、Googleは当然わしに関するほぼすべてのキャラクターを把握しているだろうと確信できる。

なにしろ、わしの書くほぼすべてのテキストはGoogleドライブでGooleドキュメントで書いていて(このテキストもそうだ)、ほぼすべての情報はGoogle検索、Chromeブラウザで得ていて、位置情報も逐次報告しているし(なので、わしは自分がいつどこにいたか、正確に言える)、メールももちろんGoogleだし、毎日Googleがおすすめするニュースを読んでいるんだから。ぜひともGoogleはわしの心理プロファイルを分析して送っていただきたいなあ、という気がする。

こういうふうに、Googleやアップルなどのプラットフォーマーたちがユーザの個人データを集めているのを危惧する声があがる。Googleやアマゾンがこうした個人プロファイルを集めていることで、意図せぬとこと(もしくはもともと意図していたまずいこと?)に誘導されてしまうというわけだ。

こういうプロファイルに基づく提案について20年以上前にわしが知ったとき、どう思ったかというと、これはすばらしい、どんどん提案してほしい、と思ったので、普通の真逆である(笑)。わしに個人的なデータも、解析の精度を上げるためにもどんどん利用してほしいと思ったくらいなので、ともかくプラットフォーマーの皆さんは、よい提案を今後もお願いいたします、といいたい。

なお、この本は、心理的パーソナリティの進化心理学的な原理、考え方を解説した本で、自分のパーソナリティを知るための設問も4ページしかなく、知ったところでどうすればいいかなどのアドバイスも何らありませんので、そういうことを期待しても無駄です。

じつは自分のキャラについて別に興味はなかったが(すんません、だって知ったところで何が変わるわけではなかろうと思ってるので)、図書館に本書を返す前にやっぱりやっとかないとと思い立って、やってみた。

わしの心理プロファイルは以下の通り。(マイナス4からプラス4までの評価)

経験への開放性:4
堅実性:−2
協調性:3
情動の安定性:2
外向性:1

堅実性が−2って、これってやっぱり、資産の9割を株で運用していることを表しているのかしら?(苦笑)

**************
(メモ)心理パーソナリティのビッグ5と8

ビッグ5
①外交的/内向的
神経症傾向(楽観的/悲観的)
③協調性(同調性、共感力)
④堅実性(自制力)
⑤経験への開放性(新規性)

橘玲が初対面で人が気にすると言っている8項目
①明るいか/暗いか(外交的/内向的)
②精神的に安定しているか、神経質か(楽観的/悲観的)
③みんなと一緒にやっていけるか、自分勝手か(同調性)
④相手に共感できるか、冷淡か(共感力)
⑤信頼できるか、あてにできるか(堅実性)
⑥面白いか、つまらないか(経験への開放性)
⑦賢いか、そうでないか(知能)
⑧魅力的か、そうでないか(外見)

★★★☆☆

 

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