ヘタレ投資家ヘタレイヤンの読書録

個人投資家目線の読書録

2040年の未来予測

成毛眞 日経BP 2021.1.12
読書日:2021.9.25

もと日本マイクロソフト成毛眞が2040年の世界を未来予測をするという触れ込みの本。

この本、人気あるんですよね。図書の予約をしてからずいぶん待たされましたから(笑)。しかし読んでいると、違和感ありありです。

成毛さんの言い分では、未来のことはすでに現在でも出現している、その芽が将来普通になるのが未来の姿だから、今起きていることから未来を探せばいいといいます。

それはいいのですが、書かれている今のことがほぼ新聞の記事レベルで、そんなこともう知っとるわ、ということのオンパレードで、たとえば自動運転が普通になると聞いてももう誰も驚かないよね。

わしなんかはそれ以上に、自動運転がまだ普及していないことに驚いているくらいで、どうして普及していないのか逆にそっちを聞きたいくらいだ。わしにはそういうことがたくさんある。わしはもしかしたら自動運転は思った以上に厳しいんじゃないかって、逆の心配をしているくらいだ。せめて近い将来に遠隔運転ぐらいは普及しますように。これも厳しいかな?

それからに唯一確実に言える日本の人口動態から、日本の将来がどうなるかを述べたりしてるが、それも新聞記事レベル。(というか、誰だって同じことしか言えないと思うんだけど)。

ここでは、将来に備えて貯金でなく投資を考えなければいけないと言い、一方、別のところでは、やっぱり現金で持っているのがいちばん、とか真逆のことを言っていて、どっちなんだ、と言いたくなる。

災害の話も多くページをとってて、いつか必ず起きるから注意しましょうという話なんだが、これって未来予測なの? まるで株は必ず暴落するって言い続けている人みたい。それは間違いなくいつかそうなりますけど、当たったってことになるのかしら。

それで本当に未来予測らしきところは、3章の50ページ弱くらいで、まあまあそこは面白かったけど、予測している内容が少なすぎる。

簡単につぎつぎあげていくと、

世界人口が増えていくと肉が足りなくなるので培養肉が増える、
魚は遺伝子改良されたものを食べる、
修繕をされずにマンションの値段は下がる、
オンライン教育は当たり前になる、
アメリカの大学は高すぎて富裕層以外はいけない、
日本では学歴が無意味になり大学は専門家する、
貧乏な日本ではシェリングが生きていくのに必須になる、
アフリカのファッションがトレンドになる、

という内容で、まあ、特に驚く内容でもないけれど、それなりに読めるところだった。こういう身近なところで予測能力をあげていきましょうという例で出されたんだろうけど、もっとこういうので埋め尽くしてもらわないと。

それにしても、みなさん、この本を読んで役に立つのかなあ。わしが唯一良かったと思えるのはMMT(現代貨幣理論)に好意的なところかな。未来予測じゃないけど。

成毛さんはこの本を最後にしばらく著述業をやめるそうです。このレベルならば、しばらく充電でもしていただいたほうが良さそうです。

★★☆☆☆(最近、ハズレが多い)

 

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