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ライティングの哲学 書けない悩みのための執筆論

千葉雅也 山内朋樹 読書猿 瀬下翔太 講談社
読書日:2021.9.20

書く悩みを抱えている(いちおう)プロの書き手たちの座談会で、最初はアウトラインプロセッサとか最新の便利ツールの話をしているが、そもそも書けない、書くネタに困る、モチベーションが上がらない、などの精神的な問題を話し合い、諦める、完全を目指さない、締切が最強のモチベーション、旅をして日常を離れる、などの結論に至る本。

こういうブログを書いているせいか、ライティング技術とか、構成の作り方とか、まあそういうのが自分でも気になるらしく、アマゾンさんにそのへんのところを見透かされて、この本がおすすめに出てきた。今後も役に立つかもという気持ちで購入したわけです。(紙が嫌いなのでもちろん電子本で)。著者のなかに「独学大全」の読書猿さんが入っていたのも大きい。

しかしねえ、こういうふうになんとなく買ってしまうと、ハズレを引いてしまう確率が高くなるんですよね。昔から、小説家とか漫画家を扱った本で、書くネタがないとか、どうやってネタを出すとか、どうしたら締切を守れるかとか、最終の締め切りはいつかとか、出版社から缶詰にあったとか、そういう記事や本が世間に氾濫していますが、その手の本や記事とほとんど変わりがありません。まあ、当然なのかもしれませんが。

最初はそういうライティングのためにツールについて話し合ってるんですよね。でも、ここでわかったのは、ここの人たちはみんなアップルを使っていて、マックで使えるツールについて語ってるんですよね。わしは全くリンゴ派ではないので、あれは良かったとか、これはこういうところがダメとか、そんなこと言われてもまったくわかりません。どうしてアップルを使う人がこんなに多いんでしょうかね。

しかも、わしはこういうツール自体にほとんど興味がありません。なんだっていいじゃん、という心境です。長い文章を書く場合(少なくとも数万語の話ですが)、わしもいきなり書かずに構成を別に作ることもあります。が、それもほとんどは普通のエディタで文章で項目を書き出して終わり。もう少し複雑な構成が必要になっても、エクセルのような表計算ソフトを使いますね。

ライターさんで表計算ソフトで構成を考えるという話をほぼ聞いたことがないんですけど、どうしてなんでしょうか。超便利ですよね。わしは無料のグーグル・スプレッドシートを使っていますが、オンラインでどこでも使えてとても便利です。なにより無料だし。

なので、執筆に使うツールはエディタ一本で終わり。場合によっては表計算ソフトを使うってことで、わし的には決着がついています。

で、ネタがなくて困るとかいう話を読んでいると、私小説家の葛西善蔵の話が思い浮かびますね。私小説家はだいたい自分の人生に起きたことしか書かないから、一度いままでの人生を書いてしまうとすぐにネタがなくなってしまう。なにも書けないまま、何日も過ごして、ある日2ページも書けると、嬉しくなってメス犬のおしっこをする真似をして喜びを表したというかぐわしい話が伝わっています。

書くネタがないなら書かなければいいと思うのですが、ここのひとたちもいちおうプロでしょうから、執筆の依頼があって、引き受ければ、なにか書かなくてはいけないというのは、それはそうでしょうね。

ちなみに読書猿さんだけは、一生書ききれないほどのネタがすでにあるそうで、すこし他の人とはベースが異なるようです。

わしのこのブログに関しては、単に読んだ本の内容をまとめているだけですから(感想すらあまりないよね)、わしが本を読んでいる限りはネタに困ることはないでしょう。ただわしの場合は、単なる本の紹介じゃなくて、本当に中身全部書いてしまっているので、よく文句を言われないな、という気は少ししますけどね。全部書くのは基本的に自分のためにまとめてるから。

こういう本が出てくるのはわからないではないけど、でも、読まされる方も困っちゃうな。

えっ、読まなければいいって? そこが貧乏性なので、とりあえず全部読むんですよ。読まない自由はわしはなかなか行使できません。(苦笑)

★★☆☆☆

 

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