萩尾 望都 新潮社 2018年3月30日
読書日:2018年07月08日
いまだに第一線で話題作を提供し続ける萩尾望都がヨーロッパで行った講演をもとに、インタビューを追加し、最近発表したポーの一族の最新作までの話までを載せたもの。
萩尾望都のお話の作り方が聞けて興味深い。遠い世界の話が多いので、まったくの空想から作っているんだと思っていたが、意外に身の回りの素朴な感情から物語を作っていることが分かった。
で、ずっと父親の物語を作ることができなかったが、「残酷な神が支配する」を描いてようやく理解できるようになったとか、母親とうまくいかなかったので、その話を描きたかったが、あまりに生々しすぎるので、イグアナの話にしたとか、出来た作品はなかなかすごいけど、もともとはそういった素朴な自分の気持ちが出発点になっている。萩尾望都が家族からほとんど理解されず、孤独な人生を歩んできたというのも驚き。
萩尾望都は服装に興味が強くて、最近の作品でもまったく服飾が決まっていて、そこがとてもいいと思った。レディー・ガガを参考にしているとか、まったく遅れている感じがしないのがとてもいい。
(2021.8.20 追記)
この本について、竹宮惠子について記載がないのは異常だ、とここに書いたが、自分のレビューを読みかえしてみると、そんなことぜんぜん書いてなかった。あれま。ちゃんと書いておけよ>自分。まあ、簡単なレビューが残っていたので、ここに載せたしだいです。
★★★★☆
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