ヘタレ投資家ヘタレイヤンの読書録

個人投資家目線の読書録

いちばんやさしいビジネスモデルの教本 人気講師が教える利益を生み出す仕組みの作り方

山口高弘 (株)インプレス 2019.7.21
読書日:2021.8.16

自らも起業経験があり、独立起業家・企業内起業家を支援する著者が、起業の基本を、特にビジネスモデルキャンパスというツールを使って解説した本。

ビジネスモデルキャンパスというツールは知らなかったが、日本では2012年に「ビジネスモデル・ジェネレーション」という本で紹介されたという。へー。

簡単に言うと、顧客に届ける価値を中心に、左側にコスト構造、右側に収益構造をしめす9つの枠があり、ここに内容を記入していけば、ビジネスモデルが出来上がる、もしくは全体が俯瞰できるようになる、というツールで、なるほどよくできているように見える。

ビジネスモデルキャンパスでは主にテキストで埋めていくので、ピクト図(ビジネスの関係者をブロック図にして、それぞれの関係を矢印等で示したもの)を併用すると良いらしい。

もちろん1回書いて終わりではなくて、起業までには何度も見直さなくてはいけない。平均20回はビジネスモデルは見直すという。見直して結果、創業者の最初の思いは、だいたい5%程度残れば良しとするという。それだけしか残らないんだ。5%かあ。

最終的には関係者全員が特をするモデルに仕上げれば、そのモデルは継続する。三方良しにするのだ。

もちろん事業が軌道に乗ったあとにも、時間が経つとここに書いたプランの前提はすぐに変わってしまうので、軌道修正が迫られる。経営者とは、このビジネスモデルを常に改善する人のことなんだという。

わしも投資をするときには、このキャンパスに書かれたことはなんとなく確認しているような気がするので、よく分かる。投資のツールとしても役に立つかもしれない。

ところで、起業家の皆さんはこのツールを見て、なるほどこれは便利だとか、これを使うと燃える(萌える?)とか思うんだろうか? もちろんこのシートを埋めようと思うと、わしはきっと何枚だって書けるだろうが(書くだけなら)、実際にやってみようとは思わないなあ。はっきりいって面倒くさいから。

そういう意味では実際に起業する人って、本当にすごいと思う。面倒くさくてもやるんだからね。

それにわしはどうも、何かを作り上げたい人じゃなくて、それが何か、なぜかを知りたい人なんだなあ、とつくづく思う。わしは、貨幣とは何かとか、資本主義とは何かとか、宇宙に果てはあるのかとか、人間とはなにかとか、そういう疑問を解決したい人であって、事業をしたいわけではない。

でも投資には興味があるので(というか依存症なので)、興味がある分野で貢献できればなあ、と思っております。

ほかの個人投資家の人って、わしのように起業家に引け目を感じているのかしら。わしはとても感じるなあ。起業家の人びとの苦労の一部をかすめ取ってるような気がして、ちょっと申し訳ないって。

思わない?

★★★☆☆

 

 

にほんブログ村 投資ブログへ
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ