ヘタレ投資家ヘタレイヤンの読書録

個人投資家目線の読書録

会社に人生を振り回されない武器としての労働法

佐々木亮 株式会社KADOKAWA 2021.3.31
読書日 2021.7.6

会社から理不尽な目に合わされても泣き寝入りせずに、法律を武器に戦う方法を教える本。

法律の本はあまり読まないのだが、こういうのを読んでおくのもいいかも、と思って読んでみた。

さて、わしには信じられない話だが、わしの所属している会社で、コロナ禍にテレワークが始まってなにが起こったかというと、夜中まで会社のネットワークにアクセスして仕事をする人が多数出てしまったという事実だ。

夜中の0時ごろに発信されたメールを見て、このひとは夜中に何をやってるんだろうか、とわしは心配になった。さらに土日に発信されたメールも多数ある。いちおう、夜の10時以降アクセス禁止、土日アクセス禁止のルールがある。だが、まったく守られていないので、最近、人事がルールを徹底させることというお達しが出たのだが、こういう人はそのうちにまたアクセスするようになるんじゃないかと思っている。

かように、日本には会社や仕事に依存している人が多く、こういう人が多いと、きっといいように会社から扱われて泣き寝入りをする人が多いんだろうなあ、という気がする。

この本でわしの経験に当てはまるのは、解雇の項だろうか。社員を解雇するのは非常に難しいので、ひとつでも条件に合わない解雇だったら、それは裁判で勝てる可能性が高いという。会社側はいろいろ言ってくるが、もちろんそれに耳を貸す必要はない。

わしの会社はリーマンショックの少し前に傾いて、大量にリストラを実行した。結果、実に社員数は3分の1にまで減ってしまった。わしはほとんど肩たたきに会わなかったが、一度だけそういう目にあった。そのときには、わしは明確に「ノー」と言って、それっきりになった。しかし、それに耐えきれずに多くの仲間が去っていった。この本を読んでいればあのときの仲間たちの多くはもっと頑張ることができたんだろうか。わからない。

妻の会社は外資系で、解雇されたあとも不当解雇だと裁判を起こし、復帰した人が何人もいるんだそうだ。外資系の社員はタフだなあ。まあ、外資系は日本の厳しい労働法に精通していなくて、欧米風に簡単に首にして、裁判に負けるようだが、日本の大手企業の場合はなかなか手強くて、厳しいんじゃないかと思う。

この本は、いろんな立場の人について語っているが、非正規やフリーランスの権利の部分も今後は役に立つかもしれない。いつかは誰もが会社を去るのだ。そうすると非正規やフリーランスとして働く機会が多くなるんだろうなあ、と思う。

もっとも不思議なのは公務員だ。公務員は雇用ではなくて任用なんだそうだ。任用と雇用が何が違うのかよくわからないが、非正規の場合、任用の公務員のほうが雇用の民間より簡単に首になり、厳しいようだ。役所のほうが厳しいってどういうこと? 理解できん。

まあ、こういう本を読んだところで細かいところはすぐに忘れてしまうだろうが、何かあったときに、『まてよ、法律的にどうなんだ』と思いつければ、まあそれでいいんじゃないかな。

労働法もそれなりに変わるみたいだから、詳しく知ったところで、いまの情報がそのときに役に立つとは限らないからね。

★★★☆☆

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