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個人投資家目線の読書録

超訳 易経 陰 −坤為地(こんいち)ほかー

竹村亞希子 新泉社 2020.10.2
読書日:2020.5.1

易経は社会や個人や組織などが変化していくものごとの循環を表しており、いまが易経の循環のどこに当たたるかを考えることでそのときの対処法がわかると主張し、易経を現在の社会に照らし合わせて解説した本。

わしは占いは全く信じないので、易経もどうかと思ったが、しかしこの本を読んで易経は占いというよりも、世の中の見方のひとつだと認識を改めた。

易経は世の中を循環として見る。つまり、物事がだんだんいい状態になって最高潮に達すると、今度は調子が悪くなる状況になる。そして悪い状況が極まると、今度は良くなっていく。

こういった状態を陽と陰のデジタルで表し、3ビットで8通り(八卦)、それをさらに3ビットで分けて、合計64通りの状態(六十四卦)に分ける。陽が大きくなるほど状態がよく、陰は状態が良くない、ということになる。

たぶん物事が調子よく行っている陽の状態では、なかなかこういう易経を手に取ることはないのではないだろうか。そういう意味では、実際に手に取るのは陰の厳しい状態を経験しているときだろう。この本では、厳しい陰の時代に焦点をあてて解説をしており、易経本来の読み方と言えるのかもしれない。

なお、「超訳 易経 陽」という本も別にあるが、著者の言うには陽はヒーローになる人(経営者とか)のための本であって、こちらの陰は従業員として人に従って生きていく一般人のための本なんだそうだ。こっちのほうが普通の人には良いということらしい。

では、この中からいくつかあげてみよう。

まずは題名となっている「坤為地(こんいち)」について。

これはすべてが陰になっている、陰が極まった状態だ。陰が極まっているのだからもっとも悪い状態と言える。しかし易経ではこれは必ずしも悪い状態ではないのだ。

この状態のときには、何かを無理に変えようとしてはいけないという。逆境に逆らわずに徹底的に従い、受け入れろという。腹を決めて、これでの慣習、人間関係を全て捨てて、新しい環境に徹底的に従うのだ。そうしているうちに新たな道が拓けるという。

もうこのくらいに腹をくくらないと、新しい状況には対応できないということだろう。逆に言うと、このくらいまで極まらないと人は変化を受け入れられないということなのかもしれない。

なるほどね。

次に、「沢火革(たくかかく)」という状況を見てみよう。

これは革命、つまり世の中が大きく変わることを示す状況だ。革命がどんなふうに起こると易経は見ているのだろうか。

革命は世の中が悪くなってもなかなか起きない、と易経は言っている。つまり人は変化を嫌う。だから、良くない状況が極まって、殆どの人が革命もやむなし、と思ったところで行動しないと革命は成功しないという。

だからなにかを変えるときには、周りに人間の様子を見て、正しいときに行動を起こさないといけないというわけだ。

ティッピングポイントという言葉があるが、何かが起きるときにはしきい値のようなものがあるという。それを見極めないといけないということで、なかなか含蓄がある説明ではないだろうか。

作者によると、日本はいま陰の時代だという。しかし陰の時代はしっかり実力を蓄えるときだという。わしはもう日本は陰の時代を抜け出していると思う。(実力は蓄えられているだろうか。)

もっとも、なんども言うように、わしはいつも未来は明るい、もうすでに夜は明けている、と言い続ける人なので、あまりあてにはならないかもしれないが。(笑)

★★★★☆


超訳 易経 陰―坤為地ほか

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