ヘタレ投資家ヘタレイヤンの読書録

個人投資家目線の読書録

とてつもない数学

永野裕之 ダイヤモンド社 2020.6.3
読書日:2021.2.27

大学で数学を勉強してJAXAに行った後、音楽に転身して指揮者になり、結婚したあと、数学の塾を始めたという著者が、広大な数学の宇宙を垣間見せてくれる本。

子供が小学生のころ、話題の算数の塾へ連れて行ったことがある。その先生もアメリカのスタンフォード大学に行ってたという人だったが、数学センス抜群の授業をしていた。数学で鍛えた人は、最後にはけっこうな割合で塾を開くのかしらね。

(こういう塾関係はすべて妻の発案である。どこで見つけてくるんだろうか。ともかく思いが強すぎて、子供の教育に膨大なお金を注ぎ込むことをいとわないのだが、ほとんど役に立たなかった。そして高校生になったいま、あれだけお金をかけたのに、と子供に苦情を言う(苦笑))。

さて、書かれていることは無限の話だったり、公理の話だったり、素数の話だったりで、ほとんどは知っている話だったが、ベンフォードの法則は知らなかった。ベンフォードの法則とは、1から9までの数字のうち、先頭に使われている数字は1が一番多くて、数字が大きくなるにつれて使われる確率が小さくなるという不思議な法則だ。1は30.1%も使われ、一方、9は4.6%しか使われないという。

この話は本当っぽいけど、本当に本当か?

いちおう定性的な説明がついている。10の何乗とかの指数関数的な表現がされている場合、1.0~2.0までの間が非常に大きなウェイトを占めるという。(1~2の間の数字の増え方が緩やかなため)。また、1から順番に数えていくような会員番号のようなものも、1の割合が大きくなるという。

どうやらどうしてもそうなるらしい。なので、この事実は会計の改ざんのチェックに使えるという。数字を改ざんするときに、人間は数字をつい均等にばらつかせてしまい、実際の数字の分布とはかけ離れてしまうんだそうだ。

これはちょっとびっくりしたので、それが書いてあるという、「世界でもっとも奇妙な数学パズル」という本を読んでみようかしら。

ところで、あちこちに数学者の肖像画が漫画チックなイラストで描かれてあるんだけど、まったく人物の区別がつかない(笑)。ほとんど同じ顔に服だけが違うという感じだ。一体何のためのイラストなんでしょうか。不思議です。

★★★☆☆

 


とてつもない数学

にほんブログ村 投資ブログへ
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ