チャールズ・エリス 日本経済新聞出版社 2011年2月25日
読書日:2013年09月30日
投資にはインデックスファンド、ETFが最適であることを主張する本。
「敗者のゲーム」とはものすごくいいネーミングだ。これだけでこの本のコンセプトを完全に表している。
最初にテニスのゲームについて話があって、プロの試合ではラリーの応酬のあと強力なショットで決まったりする。つまりスーパープレイだ。ところがアマチュアの試合ではスーパープレイなどなく、ミスをしたほうが負ける。つまりいかにミスをしないかが勝つ秘訣になる。投資でもまったく同じで、勝とうとするのではなく大きなミスをしないようにすることで勝つことができる、という。
ではどういう投資をするかというと、投資のリスクとしてもっとも大きいのはインフレだという。インフレに負けないように投資を実行するのは至難の業で、もちろん銀行預金では駄目で、債権もとんとんぐらいにしかならない。したがって株式投資しか選択肢がないという。株式投資のばあい投資信託は手数料を入れると市場のパフォーマンス以下にしかならないから、これもはずす。個人で銘柄選択するのは、プロでも難しいことを考えると選択肢に入らないので、結局、株式指数に連動したインデックスファンドかETFしか残らないという。
もう1つ大事なのは、国内市場だけでなく、外国の市場にも投資するということである。世界の成長に乗り、分散投資を行うところに意味がある。
このようなひどく退屈な投資でも、複利効果により10年後20年後には莫大な資産形成が見込まれるという。
わしはもちろんこのような退屈な投資はお断りである(笑)。
しかし、投資のリスクという意味では大変参考になった。これほどインフレが脅威だとは思ってもみなかった。デフレの世界に長くいすぎたせいだろうか。今後日本がデフレを脱却しインフレの世界に突入するのなら、ぜひともインフレのリスクを忘れずにいたいものである。
★★★★☆
(注:読んだのは第5版であるが、最新版をリンクしておく)