ヘタレ投資家ヘタレイヤンの読書録

個人投資家目線の読書録

フリーダム

ジョナサン フランゼン, Franzen Jonathan 早川書房 2012年12月19日
読書日:2013年07月14日

まあ、一言でいえば、家族の崩壊と再生の物語、ということになるんだろうけど、なんだかそんな一言では終わらせたくないというくらい豊穣な内容。その崩壊の原因とかそういうのも、よくある題材なんだけど、でもこんなにありきたりな題材を使っていてもぜんぜん普通じゃない。

最初は中産階級の家庭の崩壊の物語。バーグランド家はミネソタ州のよくありそうな中産階級の家庭なんだけど、主婦のパティは一生懸命にその中産階級の家庭を守ろうとしているのがありありの感じ。でもその必死さが最初からいかにもむりっぽそうなので、読んでいて息苦しさ満歳。非常に痛々しくて辛かったです。

でも崩壊してしまってからはなんかさっぱりしてた感じで、興味津々でそれぞれの家族を追いかけていくことができます。ここは最高に楽しくて、ページを繰るのがもどかしいこと。

いや、それにしてもパティのキャラ、すごい。最初から中産階級の枠を超えちゃってるのに、その枠に収まろうとしてるから無理を感じるのであって、もっと自由奔放に生きたら、もしかしたら歴史上の人物にだってなれたんじゃないかっていうくらいのスケールを感じるんですけどねえ。

フランゼンという人を初めて知ったけど、ありきたりの題材でも超傑作が書けるんだということを教えてくれました。いや、面白かったです。

★★★★★

 


フリーダム

にほんブログ村 投資ブログへ
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ