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韓国、ウソの代償 沈みゆく隣人と日本の選択

高橋洋一 芙蓉社新書 2019.9.1
読書日:2020.5.6

日韓関係を扱ったものだが、何しろ8か月前の出版なので、少し国際情勢が古くなっている。いまではコロナ前の話を聞くと、遠い昔の話のように聞こえる。

しかし、高橋洋一は単なる嫌韓のおじさんではないので、最近の国際情勢の部分をのぞけば、それなりに学べるところがある。

例えば、韓国に対する誤った見解、俗論を一掃する章がある。韓国経済崩壊論を単純に唱える人たちがいるが、大部分の主張は間違っており、そんなに簡単に崩壊しないことは明らかなのだ。韓国経済が厳しい立場に立たされる局面はあるだろうが、ここまで豊かになった国はなかなか崩壊とはいかない。

韓国経済が崩壊することがあるとすれば、とてつもなく間違った政治判断が行われた場合である。具体的には、(1)主な企業が国有化された場合(特にサムスンが国有化された場合)、(2)米韓同盟が解消された場合、(3)北朝鮮統一国家を作った場合、などの大きな(間違った)判断が行われたときだ。

韓国のベネズエラ化ということが言われている。しかしベネズエラのように石油のモノカルチャー経済の場合は分かるが、韓国くらいまで工業化を果たし、先進国化し、豊かになった自由主義国家が崩壊した例はこれまでないのではないか。

参考になるとすれば、20世紀の後半に何度も経済崩壊を起こしたアルゼンチンだろうか。もともと20世紀前半には経済大国だったアルゼンチンは、独裁政治、強すぎる労働運動などにより、何度もデフォルトを起こし、いまではかつての大国の面影はない。ここで重要なのは、経済的崩壊は政治が原因で起こりがちということだ。結局はその国に対する信用の喪失が経済崩壊を起こすのだ。

これまでも世界で左翼政権はたくさんの国を滅ぼしてきた。韓国の左翼政権も危険だ。だが、韓国はまだ立っている。

★★★☆☆

 


韓国、ウソの代償 沈みゆく隣人と日本の選択 (扶桑社BOOKS新書)

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