中野 剛志/著 -- ベストセラーズ -- 2019.7
読書日:2019.10.25
基礎知識編に続く戦略編だが、中身はこれからどうするかという話ではなくて、平成の経済政策はなぜ失敗したかを、しつこく語る内容だった。それはもう何度もあちこちで読んだので、今後どうするのかという話をもっと聞きたかったが、それは叶わなかった。
まあ、それでももう一度、政治の話を聞くのも悪くないかもしれない。わしも国のエリートの皆さんと同じように、新自由主義に浸りきっていて、それが正しいと思っていた方だった。中野さんのおかげで、すっかり保護主義に対するアレルギーはなくなった。
しかし、中野さんのいうことをこのまま聞くと、中国のやり方がもっとも賢い方法ということになりそうなんだが、そんなことはないだろう。中国に対する言及がほとんどなかったけど、中国のやり方も限界に達するでしょ?
いっぽう、EUは最悪のシステムということになりそうだ。ブレグジットは影響も大きいかもしれないが、きっとEUにとどまるよりはマシという結果になるだろう。
そして意外にアメリカのトランプは、本人がどれだけ分かっているのかは知らないが、結構いい線を行っているということになる。
韓国は、IMFの言ったとおりにグローバル化をまい進し、非常に多くの国とFTAを結びまくって、国のGDPは上がるかもしれないが、国民の下層階級の暮らしはますます悪くなりそうです。(ジム・ロジャーズは、まだ韓国に投資してるのかしら?)
とりあえず、MMTは正しいことは間違いないので(たぶん)、中野さんには政治にもっと働きかけていただきたい。よろしくお願いいたします。
★★★☆☆