ヘタレ投資家ヘタレイヤンの読書録

個人投資家目線の読書録

閉店間際のスタバにて


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投資は自己責任で、と言いますが。。。

仕事帰りにスタバでコーヒーしてたら、二人の女性が話していて、一方が、「お金を返せ、いますぐ返せ」と大声で叫び始めて、周囲の目を顧みない醜態に、引いてしまいました。彼女は眉間に縦縞を寄せて、鬼の形相です。

どうも一千万円以上を投資して、それが二千万円ぐらいの損失になっているようなことを叫んでいます。110円がどうしたこうしたと言ってますから、きっとFXでしょう。このところの円高で、損をしたのだと思います。

「あのお金あなたにあげてないから、月末までに一千万円返して、念書書いて、返せと言ったら返せ、損させてるでしょ」

そう叫びながら、言ってる方がわーっと泣き出してしまいました。

なんか姉妹のようです。きっと姉が妹に言われるままに投資して、損したのでしょう。これじゃあ、人間関係も無茶苦茶です。

ちょっとよく分からないのは、どうもいまだにポジションを解消していないようなのです。なので損失がいくらなのかも流動的で、確定しておらず、よく分かっていないようなのです。

「私、もうやめる、もうしない」

と叫んでいましたが、普通なら、とっくにやめてるでしょ。というか、FXやるなら、普通損失をふくらませないために、ストップを設定するでしょ。ストップを設定せずに、大金を投入したとしたら、びっくりです。

たぶん、まったく投資の勉強をしたことがないのでしょう。FXやるのなら、本の2,3冊読んだだけで、ストップを設定しようと思うはずです。たとえば、ラリー・ウイリアムズは、いろいろ投資手法を書いておきながら、最後にこれだけは忘れないようにと、「ストップを必ずかける」と太字で記載して本を終えているくらいです。

買い物をするときに、10万円以上のちょっと高い買い物、例えば洗濯機や冷蔵庫をなどを買うときには、どれを買えばいいか、どこで買えばいいか、きちんと事前に下調べをするでしょう。なのに、何百万も、時には何千万円もの金融商品を買うときには、まったく自分で勉強せずに、友達がすすめたからとか雑誌で紹介されていたからという理由で気軽に購入するなんて信じられません。

ストップをかけずに、ポジションを解消するのは、けっこう難しいのです。わしがなかなか身につかなかった行動様式に、このポジション解消があります。逆にやってはいけないナンピン買いをして、傷口を広げたこともあります。

ポジションを解消できないのは、心理的な理由があります。ひとは自分の間違いを認めるのが非常に苦しいので、失敗してもずるずるとそのポジションをキープしてしまうのです。いつか相場が回復するだろうと希望的観測を抱いて、思考停止に陥ります。だから機械的なストップはとても有効です。

しかしながら最近は、ストップをかけなくても、あ〜あ、間違っちゃった、と気軽に反対売買をできるようになりました。慣れたんですね。この気軽さを身につけただけでも、長年投資を経験して来た甲斐があったというものです。この気軽さを最初から身につけている人は、非常に幸運と言うべきでしょう。ゲーム感覚でやってる人はたぶんそうではないかと思います。わしはゲームをやらないので、苦労しました。

もうひとつ、この姉妹でよく分からないのは、どうも姉は自分で投資をしているようなのです。妹にお金を貸して、妹が運用して損をしたのなら分かりますが、妹の言葉を信じて投資をして負けたとして、それを返せと言われても、妹も困惑するでしょう。「返してくれないのなら裁判をする」と叫んでいましたが、きっと裁判でも負けるんじゃないでしょうか?

話を聞いていて、思いだしたことがあります。昔、わしがいろんな投資を試しているとき、あるヨーロッパの企業に投資しようと思いました。雑誌にその会社のことが書いてあったんですね。ヨーロッパの企業に投資したことがなかったので、やってみようと思いました。その話をすると、ある人が「私も投資したい」といい、5万円をわしに預けました。

だが、この投資は失敗し、株価は10分の1以下になってしまいました。当然その人は「5万円返せ」と言いますよね。でもこの人は、この銘柄が上がれば、当然、儲けた分をよこせと言うでしょう。このひとにとっては、失敗したらわしのせい、成功したら自分のお手柄、ということなのです。知ってる人だったし、たかだか5万円ですから、もちろん元本をわしは返しました。(日本人の間で、5万円のやり取りは非常に重いですよね。)

わしは人のお金を預かってはいけないという教訓を得ました。そして、ひとに銘柄を勧めるときにも、注意をしなくてはいけません。返せ、と言われますからね。日本では気軽にお金儲けの話はできない、ということです。

アメリカ人は気軽にパーティで儲け話の話をするそうですね。中国人も、会うとそういう話になるようですね。でも日本人同士でそれをやるのはとても、とても難しいのです。お互い、どのくらいのリスクがあるかを自分で計算できない人同士がビジネスの話をしても、失敗したらお前のせいだ、という話になってしまいます。

ちなみに我が家では、妻も株を買っています。なので、多少、投資の話ができるのですが、、、。
東京電力の株価が上がらないんだけど」
「いつ買ったの?」
東日本大震災の前から持ってる」
うーん、原発事故の前に買ったものをまだ持ってるとは、、、この際、ずっともってるのも記念になっていいかも。

そのスタバは10時で閉店となり、姉妹は店を出ました。興味深く事態を眺めていたわしも、席を立ちました。

 

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