デービッド・サンガー 朝日新聞出版 2019年5月20日
読書日:2019年8月10日
ニューヨークタイムズの記者による、国家間のサイバー戦争の記録。
取り上げられている事件のほとんどは新聞などで読んだことがあったが、そういう事件の内実をさらに詳しく知るには好著。何しろ著者はホワイトハウスの高官にもインタビューできるような人だから、実際に対応した人のけっこう生々しい発言を聞くことができる。
例えば、アメリカがイランの核開発をサイバー攻撃で遅らせたとか、ロシアがウクライナを攻撃する前に電力を止めたという話とかが語られる。
皮肉な話もある。数年前ワナクライというマルウェアが世界中を席巻したが、それがもともとはアメリカが自分たちのために作ったものを、北朝鮮が改良してばらまいたものなんだそうだ。
とはいえ、サイバー戦争って、息詰まるような内容に仕立てるにはけっこう地味な題材で、なんかいまいち退屈。何しろ誰も死なないし、ロシアがアメリカの大統領選挙に関与したと言っても、どの程度効果があったのか、その測定は難しい。
読むことは読んだけど、けっこう飛ばし読みになってしまった。
★★★☆☆