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第6の大絶滅は起こるのか―生物大絶滅の科学と人類の未来

ピーター・ブラネン 築地書館 2019年2月19日
読書日:2019年7月26日

これまで、地球では5度の大絶滅が起きた。では現在、人間が環境に引き起こしている影響は6度目の大絶滅を引き起こすのだろうか。

これまでの5度大絶滅は、ほとんどが二酸化炭素と関係がある。そのうち3度は二酸化炭素が急激に増えたことにより、気温が上がり、海が酸欠になることで発生している。

1つは逆に二酸化炭素がなくなることで気温が下がり、大絶滅に至っている。

最後のひとつは、有名な恐竜が絶滅したときで、これは巨大隕石が衝突したことで絶滅したことが分かっている。しかし、同じ時期にインドで大噴火が起きていることも分かっており、その結果、気温があがり、大絶滅に至った可能性がある。どっちが決定的な絶滅の原因だったのか現状では判断できないようだ。隕石が衝突したことでインドの大噴火が誘発された、と考えると辻褄が合うので、今後はそれが定説になるかもしれない。

このようにして、どの大絶滅も二酸化炭素に関係しているらしい。

現在、人類が化石燃料を燃やして、二酸化炭素濃度を上げている状況を考えると、これが6度目の大絶滅にいたることはないのだろうか。

しかしながら過去の大絶滅の状況と比べると、現在の状況はちょっと生活の質が下がるといった程度のようで、大絶滅とはとても言えないようだ。どの大絶滅のときも、信じられないくらい急激に二酸化炭素濃度が変化し、その時に地球を支配していた生物が滅んでいる。

この先、気温が上がることがあっても、人間は気温の低いところに移り住んで生き延びそうだから、支配的な種が滅ばず、大絶滅ということにはならなさそうだ。他の生物にとって大迷惑な話かもしれないが。

しかし、どんな生物もやがては絶滅する運命にある。きっと人間も絶滅するだろう。

まず人間が消えた数百万年後では二酸化炭素は逆に少なくなり、地球は氷の世界になるという。

ところが、太陽は徐々に巨大化して明るくなっており、そのせいで地球は温められる。8億年後には地球の平均気温は60度に達し、ここにすべての生物は死に絶える。

そうすると、生命の歴史はあと8億年に過ぎないことになる。地質学的にはあっという間である。もし人類の後継者がいたとしても、この時点で地球を放棄しなくてはいけないだろう。それまでに宇宙を航行するすべを身につけなければならない。

8億年もあれば楽勝でしょうか?

★★★☆☆ 

 


第6の大絶滅は起こるのか―生物大絶滅の科学と人類の未来

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