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ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか

ピーター・ティール, ブレイク・マスターズ NHK出版 2014年9月27日
読書日:2016年05月10日

著者はリーン・スタートアップを非難していて、とりあえず問題を解決する小さなソフトを作って客の反応を見ながら徐々に改良していくという方法では、この世にない全く新しいものは作れない、といい、無から有を作り出せとけしかける。煽情的なメッセージはかなり効果的で、市場を独占するようなものを作らないと利益は得られない、という。

このような煽情的な発想を披露しながら、自らの体験を例に挙げて具体的に説明するところでは、あれっと思ってしまう。なんか普通なのだ。他社がすぐ追随するようなものではだめだと言いながら、自らが作ったペイパルはすぐにイーロン・マスクの作ったベンチャーに追い付かれてしまう。このままじゃレッド・オーシャンになるからと両社は合併する。するとペイパルはすぐに追いつかれないものを作ったわけではなくて、合併によって独占を守ったわけだ。その後の経緯もちょっといまいち。

まあ、具体例の自分の体験は、いまのティールの考えとずれてる部分もあるかもしれないけど、ティールはきっとそういった経験を経てこの考えにたどり着いたのだ。今の彼のやっていることは、新しい自由を作るプロジェクトも、若者に学校へ行かずに自由に研究させるプロジェクトも、過激で面白い。

かなりリバタリアン的な発想の人なのに、アイン・ランドの著書もそのまま受け止めていないところが面白かった。

★★★★☆


ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか

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