科学
星野保 岩波現代文庫 2020.9.15(オリジナル単行本は2015.12)読書日:2020.12.12 雪腐病菌(ゆきぐされびょうきん)というきのこの研究者が、きのこを追って北極や南極の極地をめぐる体験を述べた本。 申し訳ないがほとんどの人と同様に、きのこを含む菌類…
「若い読者に贈る美しい生物学講義」の最初に述べられるのは、そもそも科学とはなにか、ということである。そこで言われるのは、科学は仮説の集まりであるということである。 つまり科学とは観察(実験)から帰納的に仮説をたてて、その仮説がどれだけ普遍的…
更科功 ダイヤモンド社 2019.11.27読書日:2020.11.23 生物学者の著者が少しでも一般の人に生物学に興味を持ってもらおうと書いた、生物学の本質について書いた本。 生物学の本というと、いきなり不思議な生物の話や著者の体験談なんかが話されることが多い…
リチャード・プレストン 日経BP社 2008年7月24日 読書日:2008年09月09日 リチャード・プレストンのホット・ゾーンを読んだとき、出だしの描写でたちまちその世界に引き込まれた。まるで見てきたかのような描写で、その本のテーマが単純明快、ストレートに提…
アラン・デケイロス みすず書房 2017年11月11日読書日:2018年09月03日 『陸海空 こんな時間に地球征服するなんて』で、ナスDが活躍した「部族アース」なんかを観てると、アマゾンのジャングルにサルがいっぱいいるので驚く。南米はサルの王国なのだ。 普通…
サフィ・バーコール 訳・三木俊哉 解説・米倉誠一郎 日経BP 2020.1.27読書日:2020.9.3 一見ばかげたアイディアであるルーンショットは少数の自由なアーティストから生まれるが、それを実用化、製品化するのは規律のある大多数のソルジャーたちによってな…
ウィリアム・フォン・ヒッペル 濱野大道 ハーパーコリンズ・ジャパン 2019.10.19読書日:2020.8.14 森からサバンナへの気候変動に直面した人類は、社会的認知能力(社会脳)を向上させ、社会的跳躍(ソーシャル・リープ)を成し遂げ、その影響は現代人にもあ…
吉田伸夫 講談社ブルーバックス 2020.1.20読書日:2020.7.30 物理学が分かっている限りの範囲で時間について語る本。 確かに、どこから来て(ビックバンから時間は始まる)、なぜ流れるのか(エントロピーの法則の結果)はきちんと書かれているし、意識もな…
スチュアート カウフマン, Stuart A. Kauffman, 河野 至恩 日本経済新聞社 2002年9月読書日:2009年03月18日 非常に興味深いが、ちょっと残念でもある書。残念なのは、私が最も知りたかったことが、カウフマンにも分からなかったこと。せめて取っ掛かりぐら…
エドワード・フレンケル 文藝春秋 2015年7月13日読書日:2016年04月25日 23:25 旧ソ連でユダヤ人であるがゆえに大学に進めず、それでもあきらめずに数学を続け、やがてあらゆる形式の数学がどれも同一のものを表しているという数学の大統一論に挑み、ソ連を…
高橋 昌一郎 講談社 2008年6月17日読書日:2010年07月27日 これを読んでいると、20世紀はいろんな限界が明らかになったんだなあということがよく分かる。しかも、それが理論的に導き出される、というのが興味深い。つまり理性が自分の限界を理性的に導き出…
松原隆彦 山と渓谷社 2019.3.1読書日:2020.5.10 宇宙物理学者の松原隆彦が物理学の世界を分かりやすく説明する本。だから世界の仕組みと言っても、当然ながら社会や経済の仕組みのことではありません。哲学や倫理学とは多少かかわってくるかもしれない。な…
マックス・テグマーク 訳・谷口淳 紀伊国屋書店 2020.1.6読書日:2020.5.3 宇宙物理学者のマックス・テグマークが、AIの発達がどの方向に進むかについて、人類が今のうちに考察を行って干渉すべきだと警鐘する本。 テグマークが人間の意識に興味があること…
ジェームズ・R・フリン 太田出版 2015年5月28日読書日:2018年10月06日 人類のIQが毎年伸び続けていて、それは性別や人種に関係なくのびている。これをフリン効果というらしいが、フリンというのはこの本の著者である。これだけ技術社会になっているのだから…
武村政春 講談社ブルーバックス 2017.4.20読書日:2020.4.7 巨大ウイルスの観察を通して、細胞がウイルスを取り込んだ結果、細胞核が誕生し、真核細胞ができたと主張する本。 なにしろコロナウイルスが世界的にパンデミックを起こしているのである。安倍首相…
実重重実(さねしげ・しげざね) 新曜社 2019.12.1読書日:2020.3.30 上から読んでも実重重実、下から読んでも実重重実というふざけた名前の著者だが、どうもこれは本名らしい。親はもしかしたら相当変わっている人だったのかしら。まるで生物の左右対称を名…
イザベラ・トゥリー 三木直子・訳 築地書館 2020.1.8読書日:2020.3.28 イングランド南西部のクネップという土地を所有する貴族が農業に行き詰まり、農地を自然に戻す再野生化で生き延びようとすることで発見した様々なことを記した本。 なんとなく英国は自…
山口周 KADOKAWA 2018.5.18読書日:2020.3.15 山口さんの本はこれで3冊目。これでほぼ、山口さんの主要な本は網羅したかな? わしはこういう読まなくてはいけない本のリストというものには弱くて(苦笑)、しかもこうもあつく勧められると、全部読みたくな…
丸山俊一+NHK取材班 NHK出版新書603 2019.10.10読書日:2020.3.12 NHK教育で放送された「人間ってナンだ? 超AI入門」で、4人の世界的知識人からAIについてコメントをもらう特別編を放送したが、それを書籍化したもの。「欲望の資本主義」…
リサ・フェルドマン・バレット 高橋洋・訳読書日:2020.2.5 情動が構成主義的に脳により作られていると主張する本。 近年、脳がどのように働いているのかが分かってきて、情動(emotion)がどのようにつくられてくるのかについても、新しい考え方が生まれて…
ジーヤ・メラリ 訳・青木薫 解説・酒井伸之 文芸春秋 2019.7.25読書日:2019.12.23 実験室で宇宙を創造するにはどういう方法があるかについて、インフレーション理論、ひも理論などから言える最新の状況から解説してくれる本。著者は現在はジャーナリストだ…
マックス・テグマーク 講談社 2016年9月21日読書日:2019年8月18日 世界的な宇宙論の物理学者がたどり着いた宇宙の実在の仕方とは。研究生活を自伝的に振り返りつつ、宇宙論の最先端を語る好著。 物理学は世界を方程式で表現するので、世界が数学的だという…
ピーター・ブラネン 築地書館 2019年2月19日読書日:2019年7月26日 これまで、地球では5度の大絶滅が起きた。では現在、人間が環境に引き起こしている影響は6度目の大絶滅を引き起こすのだろうか。 これまでの5度大絶滅は、ほとんどが二酸化炭素と関係が…
加藤 文元/著 -- KADOKAWA -- 2019.4 読書日:2019年7月17日 数年前に不思議な数学の論文が出されて、査読に入っているという話を聞いたことがありましたが、どうもこれのことらしい。その時も宇宙と宇宙をつなぐなどという言葉が躍っていて、これはいった…